野営場から帰ると、親しい友人から宅配便が届いていた。 白い熨斗(のし)紙に何と『陣中見舞い』と書かれてある。 もうほとんど風邪との戦は終わりかけていたけれど、 それは何より嬉しい贈り物だった。 私が風邪で臥せっていたことを知っていたのは、 家族とごく近い友人だけで、これはその近い友人からのものである。 近いといっても他県に住んでいるため、 年に数回しか会えず、時々私の方から電話を入れている間柄だ。 もちろん今年は一度も会っていない。 最近は私がよく体調を崩すので心配してくれ、 今回の『陣中見舞い』となったのだと思う。 礼節正しい昔気質な人で頭が下がる。 贈り物の中身は北の果て利尻島の昆布詰め合…