「語りなおしシェイクスピア」シリーズ第2弾。 『リア王』は厳しく怖い悲劇のイメージがあったのだけど、訳者あとがきによれば、本作はエンターテインメントであるようだったので読み始めた。 『獄中シェイクスピア劇団 テンペスト』アトウッド →『ヴィネガー・ガール じゃじゃ馬ならし』アン・タイラー、の順で読んだことになるが、本作もおもしろかった。 小説などの創作にはよく王国や、王をめぐる話が出てくる――戦国時代の群雄や、人々のために天下泰平の世をもたらしたという将軍についての歴史小説やドラマも同じ。 でも、現代の人は「王」になりたくないのではないか。 王国や王宮が舞台のファンタジーでは、いずれ王になる人…