1 薩摩藩独特の外城制「麓(ふもと)」 鹿児島県の伝統的建造物群保存地区としては「知覧」が有名ですが、他の三地区(出水・入来・加世田)もすべて武家屋敷群で構成されていて、日本遺産「薩摩の武士が生きた町」でも名前が知られる様になりました。 薩摩藩の特徴ですが、藩主の住む地に巨大城郭を築く代わりに中世式の山城を各地に残し、それぞれ家臣に守らせる外城制(とじょうせい)の麓(ふもと)毎に治めていたのです。2 出水市出水麓(いずみふもと) 中でも出水市出水麓は、肥後との国境に配された最大級の外城です。旧武家屋敷地の大部分が保存地区に指定されていて、東西南北路の街路を中心に碁盤の目の町並が形成されていまし…