薩摩国谿山郡福本に如意山清泉寺(にょいざんせいせんじ)はあった。現在の鹿児島市下福元町のうち。古い寺院であったとされ、岸壁には摩崖仏がある。明治の初めに廃寺となり、寺院の遺構が残っている。 そして、寺院跡には大きな五輪塔も。この地で討たれた島津久章(しまづひさあきら)の墓塔である。 日羅の開基とされるが 日羅(にちら)の開基と伝わる。日羅は6世紀の人物で、百済からやってきた。肥後国の豪族である火葦北阿利斯登(ひのあしきたのありしと)の子とされ、百済に渡って高僧となっていた。この伝承が本当ならばものすごく古い寺院ということになるが……さすがに古すぎて、史実とは思われない。 薩摩国には日羅を開基と…