1838〜77(天保9〜明治10) 幕末期の薩摩藩士。 はじめの名前は「中村半次郎」。幕末に京都で「人斬り半次郎」とおそれられた。 戊辰戦争では会津若松城の攻略戦に参加。 維新後、陸軍少将となるものの、征韓論に敗れて西郷隆盛が鹿児島に帰るときに彼も辞職、行動を共にする。 西南戦争で西郷の死を見届けた後、城山で戦死。
桐野利秋(きりのとしあき)について知りたいと思い、資料を探す。それで、こちらの本にたどりついた。 『薩摩の密偵 桐野利秋 「人斬り半次郎」の真実』著/桐野作人 発行/NHK出版 2018年 薩摩の密偵 桐野利秋 「人斬り半次郎」の真実 (NHK出版新書) 作者:桐野 作人 NHK出版 Amazon 桐野利秋の人間性や事績が丁寧に綴られる。当時の薩摩藩の事情や、人間関係とか時代の流れなどもわかりやすく解説されている。良書だと思う。 著者の桐野作人(きりのさくじん)氏は鹿児島県出身の歴史作家。鹿児島県の戦国時代や幕末に関する著作を多く出していて、当ブログで記事をつくる際にもかなりお世話になっている…
鹿児島市の北部は吉野(よしの)と呼ばれる。かつての薩摩国鹿児島郡の吉野村にあたる。吉野の南のほうにある「実方(さねかた)」に立ち寄ってみた。 吉野はシラス台地の上にある。「吉野台地」「吉野原(よしのばる)」とも呼ばれる。鹿児島の平野部から、急坂を登っていくような感じである。鹿児島市街地から坂元へ登り、そこからさらに登って吉野台地の上に出る。その台地の入口のあたりが「実方」である。 実方は桐野利秋や別府晋介の生まれたところでもある。 実方神社 桐野利秋誕生地 桐野利秋の略伝 別府晋介誕生地 別府晋介の略伝 なお、明治5年以前の日付は旧暦によるもの。 実方神社 由緒不明。創建時期不明。御祭神は天照…
先日ようやく司馬遼太郎の「翔ぶが如く」を読了した。 文庫本にして10巻に及ぶ長編だったので、かなりの根気を要したがなんとか読み終えることができた。期間にして3か月と少しかかった。 これまでのサラリーマン時代では長編小説(根気必要)になかなか踏み切れなかったので、やはり定年退職したことで読めるようになった、これは大きな要因だと思える。 少し話がずれるが、自分自身では10巻以上の長編と言えば池波正太郎の「真田太平記」以来だから、もはや10年単位で久しぶりの挑戦であった。 これまでも司馬遼太郎でいえば「燃えよ剣」「新撰組血風録」「国盗り物語」なども読んではいたが、この「翔ぶが如く」は登場人物が多岐に…
人斬り半次郎 幕末編(新潮文庫)【電子書籍】[ 池波正太郎 ]価格: 869 円楽天で詳細を見る 【あらすじ】 薩摩藩内でも「唐芋侍」と蔑まれる貧乏郷士の家に生れた中村半次郎。その逆境の中で、ろくに読み書きもできないが、大らかで真っ直ぐな性格で知られていた。示現流の使い手でその剣に敵はなく、美男子で惚れた女性には見境いない。「出戻り」の幸江に入れあげて、夜這いを繰り返す毎日。 島津久光に従って上洛すると京で諸国の志士たちを交流して、同時に生涯を共にする西郷隆盛と出会い、重用されてそばに付き従う。志士との交流で学問も必要と考えて本に向かうが頭に入らず、字を習うも「師匠」となった法秀尼と男女の仲に…
利秋さんお誕生日おめでとうございます♡ お誕生日ピックアップガチャ、ゲットしましたー! ガチャチケが25枚ほど貯まってて。 23枚使った時点で両方ゲットできました(๑´ㅂ`๑) ぶっちゃけCV目当てで始めたけど、イベストには全然声付かなくて哀しい。 有料か、有料なんか??
*大河ドラマでは原作にない「幕末編」も制作されました(NHKより)。 【あらすじ】 明治六年の政変で、西郷を筆頭に佐賀の江藤新平や土佐の板垣退助なども下野した。また西郷の配下だった陸軍少将の桐野利秋を先頭に、薩摩閥だった陸軍から鹿児島へと帰郷する兵士が続出する。新政府の不満分子も一斉に下野したことで、反乱の種は佐幕派の旧藩よりも、倒幕に尽力した薩長土肥に集まった。 一部新政府に登用された藩士を除いて、命をかけて倒幕を果たした結果士族の身分が失われることになり、不満が頂点に達していた。実際に江藤新平は佐賀の乱を起こして死罪。そして熊本では神風連の乱、福岡では秋月の乱、長州でも萩の乱が勃発して鎮圧…
アレサンドロです。 https://note.com/tomotrp/n/n4ff8f0f916c6 より 殺し屋と聞いて、 どんな人物が浮かびますか? ゴルゴ13 キル・ビル 中村主水(必殺仕事人) ジェームズ・バンド などなど 幕末期には、 田中新兵衛 中村 半次郎(後の桐野利秋) 人斬り以蔵(岡田以蔵) あたりが有名ですよね。 中村半次郎は幕末を生き抜き、 明治陸軍の軍人になりました。 西南戦争でなくなりましたが。 映画の主人公たちは、 依頼や命令はありますが、 主体的に自分の意思で 人を殺めていった感じです。 実在の人たちは、 上に立つ人たちの一方的な 指示、命令で殺人をしていった感じ…
「人生劇場」で有名な尾崎士郎が、西南戦争をテーマに「私学校蜂起」「可愛嶽突破」「桐野利秋」「波荒らし玄洋社」の4編を書いたもの。それぞれが、西南戦争の様相を丁寧に臨場感を持って描き出しています。それぞれの現場、というか現地の様子が丁寧に描かれていて、その場の情景が目に浮かんでくるよう。ここらへんは、さすが、尾崎さん、うまいなあって思いました。 桐野利秋びいきの私としては、「桐野利秋」だけで一編あるのが嬉しい。桐野利秋の生き様、死に様を描いた短編で、桐野利秋について書かれた小説としては、私は尾崎さんのこの短編が一番好きです。尾崎さんは愛知県出身で、鹿児島とはゆかりのない作家ですが、薩摩隼人の魂み…
柴田さんは痛快でちょっとニヒルな時代小説を書かれますね。けっこうエログロナンセンスみたいなシーンも描くけれど、女性への永遠の憧れみたいなものを隠しつつ、という感じがいいです。 歴史の王道を歩く人物ではなく、クールに時代に背を向けて生きる主人公を多く描いています。眠狂四郎はその典型。 この短編集も、ちょっと時代の主流から外れた人たちを描いた物語で、テーマを幕末にとっております。等々呂木神仙なるおじいさんが語る幕末史の秘話という形を取っているのですが、そこはやっぱりシバレンなので、けっこうエロっぽい話もちらほら(笑)。でも、最後には感動の涙が出てきます。私もこの本を読んで何回も泣きました。 「会津…
幕末編と賊将編の2冊です。 幕末に人斬り半次郎と言われた薩摩の中村半次郎。維新後の名前が桐野利秋。半次郎の一生を描いた池波先生の力作です。司馬遼太郎先生が書く半次郎と、全然違うのですよね。池波作品の半次郎は、半分は女性と戯れております(笑)。そして、あとの半分は西郷隆盛を犬っころのように尊敬し、まとわりつくことに費やしています。 西南戦争で敗走し、薩摩まで戻ってきて最後の夜を城山で迎えた時、西郷さんに半次郎が心で叫ぶセリフがこれ。 しかし西郷さんは何もかも見透かしたように、「よか、よか。」と半次郎に言うのでした。 いかにも池波さんらしい、ふわりとした人間くさい中村半次郎。 幸江という故郷の女(…