加藤清正の城、近代戦を戦う 加藤清正が築いた名城が熊本城である。扇の勾配で知られる堅固な石垣などに守られた堅城は、結局は戦国の世ではその真価を発揮することなく終わった。しかしこの城が日本の命運に影響する近代戦の舞台となったのである。それが西南戦争であった。 近代化を目指す日本では、徴兵令によって軍が編成され、日本をいくつかの管区に分けて九州の軍の本営である熊本鎮台が熊本城に置かれていた。さらに秩禄処分によって士族は先祖代々の家禄を廃止されることになる。廃刀令で武器を奪われ、その上に収入を断たれた士族は不満を感じて各地で反乱を起こす。 1876年10月24日、熊本でも不平士族の反乱が発生。170…