彼岸乞食 (社町山国部落の奇習)村内十三歳以下の男子十数人一組となり、(春の彼岸)中日の日未明より各方面に立ち分かれ、袋或いは風呂敷等を携えて各戸を叩き「彼岸々々」と呼び歩き、金銭、米或いは野菜乾物等を強制的に貰い受け、最後に一ヶ所或いは二ヶ所に集まり、米は飯に、金は加役を購う料として、加役飯を焚き、十四歳の男子(去年まで彼岸乞食に廻りたる者)を招待し相共に会食す。尚余分ある時は売り払い十四歳の者が分配する慣例なりと。(以上、原文の旧字体、旧仮名使いを新字・新仮名遣いに改めた) その起源ははっきりしないが、伝説によると昔藤田部落に大きな池があったが、その池には大蛇が生息しており、しばしば人や家…