1954年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。文芸批評家。古手のSFマニアでもある。 1983年、「コスモスの知慧」で第25回「群像」新人賞評論部門受賞。1995年より文芸ホームページ「ほら貝」主宰。東海大学文学部の「パーソナル・コンピュータと文学」という授業で、電子テキスト処理とインターネット時代の文学について講じている。
1993年急性心不全で逝去された前衛作家で、2012年、読売新聞の取材によりノーベル賞受賞寸前の訃報だったことが明らかにされた(カバー折の著者紹介より)安部公房サンの小説を『けものたちは故郷をめざす』*1『終りし道の標べに』*2と読み進んで、これも読んでみました。 www.shinchosha.co.jp 写真:安部公房 装幀:近藤一弥 デザイン 新潮社装幀室 解題 加藤弘一(アンソロも) 解説 ヤマザキマリ カバー表紙(部分)ところで、アベコーボーサンのアベを漢字で書く時、阿部か安部か安倍か迷いませんか。そしてそのうちのどれが奈良で狙撃されて非業の死を遂げた元首相サンのアベサンなのか、読モか…
ウィキペディアによると、もとは『粘土塀』と題された作品。 1948年10月、真善美出版から改題刊行。 1965年12月、冬樹社から「さすがに表現のまどろっこしさは争えず、多少手を加え」(「あとがき」より)刊行。 新潮文庫の底本が冬樹社版。講談社文芸文庫版の底本が真善美出版版。どちらも品切れ再版未定。たぶん古書市場ではボッタ値がついてます。 終りし道の標べに (新潮文庫 あ 4-11) | ダ・ヴィンチWeb 終りし道の標べに (講談社文芸文庫) | ダ・ヴィンチWeb 読んだのは冬樹社版の1971年4月の11刷。「装幀 伴 信之 写真 伴 博之」とありますが、カバ欠でどこにも写真等ありません。…
おどるでく-猫又伝奇集 (中公文庫 む 33-1) 作者:室井 光広 中央公論新社 Amazon 『おどるでく-猫又伝奇集』室井光広著を読む。 『猫又拾遺』は作者の出身地である南会津を「猫又」と名付け、不可思議な話を集めた短篇集。宮沢賢治は岩手県を「イーハトーボ」と命名したが、こちらは猫又。メルヘンチックではなく妖怪チック、民俗学チックで今様昔話の趣き。閻連科とか深沢七郎あたりを思い出す。『遠野物語』とかも。「伝奇集」は、ボルヘスへのリスペクトを込めてか。 『おどるでく』は芥川賞受賞作品。「踊る木偶(でく)」はすぐにわかったが、そこにカフカの「オドラデク」が重なっているとは。オドラデクはカフカ…