真紀涼介 「勿忘草をさがして」昨年の鮎川賞の作品が書籍化されたので読んでみました。今回は受賞作品がないため優秀賞の作品を書籍化したとのこと。鮎川賞はミステリー作品の新人賞という位置づけとなりますので毎回期待しながら読ませてもらっています。 主人公の高校生は一年前に偶然出会ったおばあさんの家を探していた。探す手掛かりは彼女の家の庭には沈丁花が咲いており、その匂いがしていたこととおばあさんとの当時の会話だけであった。あのときのお礼を言いたいのもあるが、彼は学校であるトラブルに会ってから鬱屈した日々を送るだけになっているのを何とか脱却したくて彼女を探していた。家を探しているときに同じくらい庭を綺麗に…