「あっ、あのー。ユウレイさんって、本当に化けて出るんですね。ボク、はじめてだ」 太郎は恐る恐る、でもしげしげと、ユウレイをながめていた。 「化けて出るって? あなた、テレビの見過ぎじゃないの」 と、ユウレイがあきれた顔をする。 「だって、現にいま、出てるもんね」 「あなたに化けて出てもしょうがないでしょう。お岩さんじゃあるまいし」 と、ユウレイが呆れ顔をする。 「ほんとう?」 「ほんとうよ。今時はね、化けて出るなんて、そんな古くさいことしないのよ」 「それじゃあ、なんで、ここにいるの?」 太郎は、蒲団に半分顔をかくしながら、恐々とユウレイを見つめていた。 「そんなに恐がらないでよ」 「なにせ、…