2019年以来2年ぶりの投稿です。 2018年の『狂歌絵師北斎とよむ古事記・万葉集』 2020年の『百人一首の図像学――狂歌絵師北斎 最後の大仕事』に続いて 2021年に『文化史よりみた東洲斎写楽―なぜ寛政六年に登場したのか』と上梓して やっと私自身、自分の書きたいこと、書くべきことが見えてきました。 北斎を理解するためには江戸文化を理解しなければならないわけですが、そのカギが中野三敏氏のかかげた「雅俗融和」にあるとしても、現在のわれわれは世界的な潮流である言語論的転回の中で生きている以上、「雅俗の分明」そのものを理解しにくくなっています。その分明の内実を21世紀の日本語で取り出さなくては次の…