otate2024 道満丸と重家(鳴海院~謙信の詔)其の一 初陣02 天正十五年夏、決戦を前に鳴海院様は拙者を加地城の土中深く隠すよう下知をした。小姓の麻倉と仲川は青苧の遺言状を埋めたあと農家に落ちのびた。無事生き延びればこの二人は末代まで秘密を守ってくれるはずだ。 道満丸様は名を改め越後の国主になって秀吉殿の野望をうち砕いてくれるだろう。景虎様と華御前は味方の裏切りで自害して果てたが、道満丸様は輝虎様の正式な世継ぎである。拙者はそれをこの目で見るまでは死んでも死にきれない。宿敵、秀吉・景勝・兼続軍への最終決戦のお膳立てもできた。 輝虎様の遺言状は天下に号令をかける美しき青苧の巻物。その遺言状…