牛乳を濃縮して作られた乳製品。全粉乳のようなものだったと推定されている。古代から中世前期に生産され、薬、あるいは仏教儀式における施物等として用いられた。 蘇の製法 薬としての用途 饗宴の肴 仏教儀礼での使用 日本での生産と貢納 貢蘇の終焉 参考文献 蘇の製法 蘇の製法について平安期成立の『延喜式』や『政事要略』には、次のように記載されている。 作蘇之法、乳大一斗煎、得蘇大一升 蘇は牛乳をおよそ1/10に濃縮して製造される乳製品であったことが分かる。そして蘇の原料となる牛乳は、乳牛1頭から1日あたり肥牛で大8合、痩牛で大4合の乳を20日間搾乳したものであった(『延喜式』)。また乳牛には、乾蒭(干…