島本理生さんの『匿名者のためのスピカ』を読みました。 私はこの本を読んで「七澤君!!!」となりました。案の定女性読者に人気の登場人物らしい。主人公の笠井君よりよほど「七澤君」だろう。でも七澤君は主人公ではありえない。直感的に、それは間違いがないことだと思いました。 自分がどのような人物を好むだろうと考える。言語化すると、たぶん内省的な人物に魅かれがち。自分をみつめる眼差しを持つ人。その眼光がきめ細やかな人。自分自身を知っている人。なので笠井君より七澤君なのです。 人を責める気になれない。 『森の家』となんだか似たような読後感になってしまった。 人は信じたいものを信じる。 そこに干渉することはで…