十字架の場面のひとつの特徴は、イエスが人々から侮辱されたことである。最高法院の議員たちは 「他人は救ったのだ。神からのメシアなら、自分を救うがよい」 と言って、イエスをあざ笑った。主イエスを十字架につけたローマの兵士たちは 「お前がユダヤ人の王なら、自分を救ってみろ」 と侮辱した。十字架につけられた犯罪人の一人は 「お前はメシアではないか。自分自身と我々を救ってみろ」 とイエスをののしったとある。 人間というのは自分に対するこのような嘲り、ののしり、侮辱に対しては憤りを覚えるものである。そして敵意、憎しみを抱く。しかしイエスは「父よ、彼らをお赦しください。自分が何をしているのか知らないのです」…