「千両みかん」は、江戸時代の大店(おおだな)の番頭が夏の暑いさなかに冬のみかんを探し求めるという古典落語です。 若旦那は、今にもどうにかなってしまうような病気に苦しんでいました。 番頭が若旦那から、みかんが食べたくてたまらない気の病だということを聞き出しました。みかんを探すのに番頭は苦労しましたが、ある果物問屋で1個だけ見つかりました。ただし、千両で譲るとのことでした。 大店の主人は、息子の命が助かるなら安いと言い、番頭にみかんを千両で買わせました。 みかんの皮をむくと、10房ありました。若旦那は7房食べて、残りの3房を両親と番頭が分けて食べるようにと、番頭に渡しました。 10房で1000両だ…