下級兵の呼称である「卒」を、族まとまりにしたもの
江戸時代において藩によっては「同心」、「足軽」などの名称で呼ばれた武家社会の末端にあった人びとであり、士分格(武士身分)を有さない下級の家臣がこれにあたる。明治新政府によって明治3年(1870年)より一律に「卒族」の呼称が開始されたが、2年後に廃された。
廃止にあたっては、それまで身分を世襲していた者は「士族」に、一代限りの家臣は「平民」に編入された。なお、新しい族籍にもとづいて戸籍が作成されたのは明治5年(1872年)のことであり、これは同年の干支を採って「壬申戸籍」と称された。