「卓袱台」(劇団焚火) 2月8~9日、福岡市・ぽんプラザホール 日曜日の夜、家族5人で卓袱台を囲んですき焼きをつつきながら語らう。この一家団欒のシーンを何度もループしながら一人ずつ仮面をはぎ取っていく演出が面白い。各自が順々に心の中の思いを散文詩のような独白で吐露していく。表面的にはなごやかで仲睦まじい家族が、実はてんでバラバラなすさんだ心の状態を押し殺して苦しみながらともに生活を営んでいることが露わになってくる。最後に表れるのがカタストロフィーなのか、家族という共同体幻想をはぎ取った原初の人間の群れなのか、好みの問題かもしれないが、この演出を最後まで突き詰めたラストを味わってみたかったように…