権力者は自分への国民の批判意識を逸らすため、わざと外国とのトラブルをでっちあげることがある。 これと同じ不誠実なごまかしを、たいていの人間は自分で自分にたいして行ってる。昔、外界に飽きて、ふと自分の内面を本気で覗いてみたものの、その底なしの暗闇にぞっとして、たちまち懲りて、以来意識を二度と内面に深入りさせないために、自作自演で外界に架空の問題事を次々でっちあげ意識を外界に釘付けにしてる。 そうすることが、幸福に生きるための秘訣だと堅く強く信じてしまってるようだ。 この人間の浅略な共同営為は、文化と呼ばれてる。 通常外に向かって使ってる意識のサーチライトの向きを180度変えて、自分の心の内面を本…