《国際連盟の失敗の理由はアメリカやソ連が不参加だったことのほかに、総会や理事会が大国も小国もまったく同等の全会一致を基本としたため、連盟全体としての意思が決められなかったことだとされた。(中略) このため1944年のダンバートンオークス会議からヤルタ会談での討議を経て、翌45年4月に開くサンフランシスコ会議で正式に決まった国際連合のメカニズムは明らかに国際連盟の失敗からの教訓を反映させていた。 まず第一には大国、小国まったく平等という連盟の基本に対し、国連は大国のパワーが世界の平和を左右する現実を認めて、安全保障理事会の常任理事国という形でアメリカ、イギリス、ソ連、中国、フランスの戦勝連合5カ…