雨月物語の一篇。
備前の国、吉備津神社の神事・鳴る釜の儀式をモチーフにした話。井沢正太郎は、生来の遊び好き、身もさだまらぬ風に懸念した親は、身を固めさせれば心がけもかわるだろうと、神主の娘・磯良(いそら)との縁談を進める。その際、この結婚の行く末はどうなるか、釜鳴神事を行う。水を張った釜を火にかけ、ウシが鳴くような音がすれば吉兆、音がしなければ凶兆。・・・釜は鳴らなかった。悪い予兆・・・でも当事者の親は神事をやった巫女たちが穢れていたのだろうと、結婚させる。そしてこの夫婦を待っている過酷な運命とは・・・?