背後に富士山を望む、燃え盛る赤い大松明。 吉田の火祭りは、富士登山の季節の締めくくりとして行われる北口本宮冨士浅間神社と諏訪神社の祭礼である。 この祭りは450年を超える伝統を誇り、日本の三大奇祭および十大火祭りに名を連ね、国の重要無形民俗文化財にも認定されている。 祭りの初日には、浅間神社と諏訪神社で特別な神事が執り行われ、富士山を象徴する御影(お山さん)とお明神さんと呼ばれる明神型神輿が上吉田地区を巡る。 夕刻には、おたびしょと称される場所で神輿が集まり、金鳥居から浅間神社に至る道沿いに設けられた大松明が一斉に点火され、その光景は圧倒的な美しさを放つ。 祭りの二日目、両神輿が神社に戻る際、…