昨年だったか下鴨納涼古本まつりで竹岡書店の3冊500円均一台に『歌舞伎研究』(歌舞伎出版部)が大量に出ていた。散々迷ったが、3冊のうちの1冊として第1集、大正15年9月再版を購入。今は無き大書堂のラベルが貼られていた。本誌は、歌舞伎座に勤めていた吉田暎二が自費で編集・発行した雑誌である。大正15年6月に創刊され、第30集、昭和3年1月まで刊行された。三田村鳶魚や林若樹が執筆していることに加え、「歌舞伎研究会員名簿(第一回)(五月二十四日迄)」が載っているので、買ったようだ。 今名簿を見てみると、ほとんどが知らない名前である。189人中知っているのは、石井良助、岩瀬文庫、だるまや、増田七郎、安藤…