向田邦子を初めて読んだのはいつの頃だったのだろうか。1981年の飛行機事故のことはニュースで知っていた。その後読み始めたはずだから高校後半から大学時代にかけてのことだと思う。 「寺内貫太郎一家」(1974)「阿修羅のごとく」(1979,1980)は観ていた(「あ・うん」(1980)は記憶にない)。「阿修羅のごとく」は僕にはきっと難しかったと思う。内容も内容だし。しかし何故か家族で観ていた記憶がある。僕が夢中になったのはお決まりかもしれないが、あの音楽である。あれが鳴った時の心のざわめきは忘れられない。レコードがないか探したが見つからない。教員になって音楽の時間に「世界の音楽」の紹介をしたら、C…