創作よりも批判、愛よりも嫉妬。年老いてなお人生の意味をシニカルに問い続ける男は、周囲の状況に振り回され、夢と空想に己を投影させていく。物語は、妻の浮気に葛藤する男の苦悩を描く。仕事とはいえ、才気あふれる長身イケメンにぴったりと寄り添っている妻にあからさまな不快感を示すが問い質す勇気はない。耳に入ってくるのは聞きたくない情報ばかり。やがて些細なことが気になりだし、すべてをネガティブにとらえてしまう。ルックスはイマイチでもインテリを自負していた男はプライドをずたずたに引き裂かれ、ますます気持ちは内向きになっていく。タイトルロールから音楽の使い方、皮肉にあふれたセリフなどNY時代から培ってきたウディ…