解説 坪田譲治原作の「善太と三平物語 風の中の子供」「子供の四季」と続いて児童物に成功した清水宏が独立して製作する作品で脚本も演出も清水宏が当たっている。戦争初期一九四二年度の松竹京都作品「みかへりの塔」以来の清水宏作品である。清水宏は終戦以来浮浪児問題に大きな関心を寄せ自ら手元に幾十人もの浮浪児を置き、現在生活を共にしているが、この映画にもその子供達をえらんで出演させたもので一人の既成俳優も出ていない、全くの異色作というべき第一回作品である。撮影は長らく佐々木太郎の助手をしていた古山三郎が担当した。なお、これには一ツのセットも使用せず、山陽道のオール・ロケである。 1948年製作/86分/日…