私の誕生日近くに、実家に帰省したことがある。 その時期に帰省するのは実家を出てから初めてのことで、母はとても喜び、誕生日のお祝いをすると言ってくれた。 帰省予定日の二週間ほど前、母との電話の中で、誕生日プレゼントは何がいいかと聞かれた。 せっかくのお祝いなのだから何か買ってくれるというのである。 その時、私には気になっているコスメがあった。そのコスメは評判もとても良く、私を長年悩ませる化粧崩れとも無縁の生活になるのではと期待していた。 そこでそれをリクエストしようかと思ったのだが、ある記憶が私をためらわせた。 「私がコスメを買うことに対して、家族があまりいい顔をしなかった記憶」だ。 私がメイク…