手術室という緊迫した空間で、医師に手術器具を手渡す器械出しの看護業務は、手術の進行を左右する極めて重要な役割である。この業務を完遂するうえで求められるのは、瞬時の判断力だ。手術は常に計画通りに進むとは限らず、予期せぬ事態が起こることも珍しくない。よって、執刀医が次に何を必要としているのか、術野の状況から一歩先を読み、適切な器具を迷わず差し出す能力が不可欠なのである。経験を積み、医師の視線や手の動きだけで意図を汲み取る目を養わなければならない。また、一刻を争う場面でのスピードも大事な資質といえる。単に動作が速いだけでなく、正確かつ安全に器具を渡す確実性が求められる。止血や縫合といった緊迫した局面…