はしご酒(Aくんのアトリエ) その五百と十七 「コクエキ ナクシテ ジンケン ナシ」 「国益なくして人権なし!」 「えっ」 ど、どうしたのだ、Aくん。 「国益を損なう恐れさえある人権ってヤツほど、厄介なモノはない、ということだ」 く、狂ったのか、Aくん。 「ま、待ってくださいよ。民主主義とは、むしろ、人権なくして国益なし!。では、ないのですか」 「とくに、弱き者たちの人権ごとき、に、よって、この国が振り回されることなど絶対にあり得ない」 酔いのせいもあろうかと思うが、やっぱり、狂ったか、Aくん。 するとAくん、想いっ切り面舵(オモカジ)いっぱい、踵(キビス)を返す。 「と、宣ったりするわけよ。…