難聴者と対談する中村藤乃さん(右)=本人提供 東日本大震災から間もなく13年。災害が発生し避難所生活を余儀なくされるなどした際、障害者や高齢者などの「災害弱者」をどう支援するかは大きな課題の一つだ。過去に聴覚障害者に救われた経験を持つ女性は、恩返しの意味も込めて「避難所で使える手話」の普及に取り組んでいる。 「手話を広めるコミュニティーを作りたい」。手話の普及活動に取り組む「デフリンクス手話協会」(東京都港区)の代表、中村藤乃さん(36)は、こう話す。 沖縄県出身。高校1年生の時に参加した手話サークルで初めて耳の不自由な人の世界に触れた。 高校卒業後、三重県の自動車部品工場で勤務したが、ほどな…