実家近くの事件を扱っているドキュメントだから手に取ったが、想像以上のものだった。2015年の講談社文庫版で読了。 強盗殺人事件の現場は、国立駅から東に数百メートル歩いた小高い丘の上の、林を切り開いてつくった住宅地で、線路沿いともある。街が開けた駅の南口の方なら、丘(国分寺崖線)の手前の線路沿いに親戚が住んでいたから、思い切りなじみのある場所だ。仮に北口だとしても、線路を挟んで反対側のあたりをイメージすることができる。 犯人の長谷川武は、犯行当時の1966年5月で22歳。僕がまだ幼稚園入園前の幼児だったころだ。犯行後数日で逮捕され、5年後の1971年11月に28歳で処刑されている。彼の母親が19…