Ⅶ Αἴολος 謎々『ユリシーズ』その7 『ユリシーズ』 エピソード7「アイオロス」を読む Αἴολος, Aeolus l この挿話はいわゆる新聞の見出しのようなタイトル付の断章からなっています。しかしながら、見出しこそ新聞のようですが、中身は新聞の文体ではありません。これは一見すると不徹底のようですが、ジョイスに限って、そんなことはないはずで、これは何か意味があるのではと思うのですが、いかがでしょうか? l 第3項「新聞社のお歴々」(U-△ p.290)の「お歴々」からする日本語の語感は「上層部」、「幹部」、新聞社だから「役員(待遇)」などを想起するが、実際にはレッド・マリーやデイヴィ・…