沼野雄司『トーキョーシンコペーション 音楽表現の現在』(音楽之友社)読了。これは、とても明快で面白い本だった。音楽の話なのだが、その背景にある哲学を炙り出すべく、展覧会の話や映画や文学の話などが出てきて、そこから車線変更するように、現代音楽の作曲家の話にスライドする。ジェンダー、視覚、災害やホロコースト、テクノロジー、日本性、などなど、毎回のテーマをしっかり浮き彫りにしながら、作曲家やアーティストが、その問題にどう向き合っているか?ちゃんと凡庸じゃなく取り組んでいるか?ということを問うている。刺激を受ける良書である。 www.ongakunotomo.co.jp JACSHA(日本相撲聞芸術作…