1911年(明44)日曜世界社刊。タイトルと草履と和服の男の子の表紙絵から見て、日本の民話か何かだろうと思って読みだしたら、西洋の宗教訓話だった。作者はメアリー・シャーウッド(Mary Sherwood, 1775-1851) 19世紀英国の児童文学作家だった。年代的にはフランスの女流作家ジョルジュ・サンドに近い。原題は「小さな樵(きこり)と彼の犬シーザー」(The Little Woodman and his dog Caesar) である。明治期の翻訳物は原著者も書名も明記しない場合が多かったが、それは地名や人名を日本のものに置き換えて、場合によっては生活習慣も書き直すことが通例だったので…