生涯が美しくあるためには、その最期は悲惨でなければならない オスカーワイルド 牧神社上梓。ボウ・ブランメルの伝記。ちょっとした服飾史を兼ねている。ブランメルのパブリック・スクール時代から、その栄華の極みとカーン(Caen)での客死でを纏める。以下、引用。 (ダンディズムとは)人格の藝術である。 彼は、「自由である」ことと「己れの生涯を挙げて美の崇拝のために捧げる」ことを自らに誓ってオクスフォードを追われた、あの詩聖シェレーのごとく、なによりも不羈独立を、なかんずく「独創性」を重んずる人間であった。 中庸にして控え目な優雅、皮肉や機知や逆説の天才、なかんずく韜晦の趣味。 シャルル・ボードレールを…