*新潮文庫(Amazon) 【あらすじ】 大洋自動車は、25万人のグループ社長を擁し、業界首位の座も狙う日本有数の巨大企業。だが、権力に固執する経営トップの高瀬英明会長と、自動車労連会長の塩野三郎の密着ぶりで、次第に迷走を始める。やがて会長の高瀬をも凌駕して、人事まで壟断するようになった塩野に経営陣は怖れ、組織は疲弊していった。凋落する一流企業の悲劇を描き、跋扈する「労働貴族」の正体を暴く。 【感想】 作者高杉良は、まず「覇権への疾走」(文庫化で「労働貴族」と改題)というドキュメントを著し、ここでは日産自動車の川又克二会長、石原俊社長、塩路一郎自動車労連会長らが、実名で描かれた。そして改めて登…