「闇鍋怪談」居島一平 <所感> 大本営八俵こと芸人 居島一平の実話怪談集。 語り口調で書かれているので、これはもはや活字よりも話芸として聞きたいもの。 特に狂気な舞台をする居島氏ならばきっと極上のステージになるはずだ。 ちなみに話としては、いつかどこか特定されないような書き出しがうまい。 例えば「あと地の怪」という話ではこんな感じで始まる。 「芸人仲間のWが、有名な避暑地に別荘を持っている友達に誘われて、ある夏そちらに遊びに行ったのだそうえす。 そこそこ立派な建物に、長期滞在でも食事の支度に困らない台所に、これまた立派な冷蔵庫が備えられている。」 星新一の作品のような普遍性を醸し出す文才をとて…