将来的な人口増と住宅不足を見込んで、昭和30年(1955)に日本住宅公団が設立され、特に大都市近郊に公団住宅の造営を推進しました。 公団の言葉を借りると「勤労者のための住宅建設」「大都市周辺での広域的・計画的住宅建設」を目指すというものです。 歴史学者、原武史さんの著書『滝山コミューン一九七四』(講談社、2007年、文庫版2010年)には西武線沿線の公団住宅のことが詳しく書かれています。同書には触れられていませんが、埼玉県域の国鉄(東北本線、高崎線)、東武線沿線にも公団住宅が次々と造営されました。 昭和31年の大宮市の東本郷団地332戸が造営されたのを皮切りに昭和32年以降は次のように次々と建…