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大海赫

(読書)
おおうみあかし

絵本・童話作家。1931年、東京新橋に生まれる。大海赫はペンネーム。カレーライスが大好物。

16歳で作家を志した。早稲田大学仏文科でパスカルを学び、同大学院仏文研究科ではベルクソンをテーマとした。大学院修了後、横浜で長く学習塾を経営する。そこで子ども達に「童話を書いて!」とせがまれたことが童話制作に入るきっかけとなった。

点描、版画、ペン画など様々な技法を駆使した独特の画風、強くデフォルメの効いたキャラクター描写と画面構成、独自の世界観に基づいた物語など、多くの特徴がある。幼年時代に作品に出会って鮮烈な読書体験を得たというファンは多い。本文のみを担当して、挿絵は他の作家と組んだコラボレーション作品も多く、総てが本人の手になる作品とはまた違った大海赫の世界が広がっている。

ほとんどの単行本は長く絶版・品切れの状態だったが、2000年頃からWWWを通じて復刊を望むファンの声がたかまり、復刊ドットコムより「ビビを見た」「ドコカの国へようこそ」「クロイヌ家具店」「メキメキえんぴつ」などが、2004年以降、続々と復刊されている。復刊を機に新作の刊行*1が始まり、童話「ガイコ」(絵・文 大海赫)が35年の時を経て完成(「ガイコちゃん」改題)し、出版の運びとなった。2005年5月20日に第44回「児童文化功労賞」(日本児童文芸家協会)を受賞。同日、記念出版として新作「白いレクイエム」(文・大海赫/絵・西岡千晶(西岡兄妹))が出版された。

著者自身の手による著作リストが公式サイト「大海赫のレインボーワールド」で公開されている。これは未発表の作品や単行本化されていない短編、評論まで含んだ詳細なもので、大海赫の世界に踏み出す手がかりとしてこれ以上のものはないだろう。また、公式サイトでは活動情報の発信にとどまらず、これまでの絵本・童話作品とは違ったあらたな"作品"と言うべき「暗黒の世界」のコーナーが公開され、コンテンツが追加され続けている。その他エッセイなども頻繁に更新されており、ファンには一見の価値があるだろう。

2005年12月には、完全新作『ママが六人???』がブッキングより刊行された。その後も『あくまびんニココーラ』や挿絵を旧版と差し替えたうえでの『びんの中の子どもたち』の復刊と続き、新しい読者を獲得し続けている。

[個展・イベント等]

「児童文化功労賞」受賞記念および「白いレクイエム」出版記念イベントとして、まず2005年6月4日にリブロ池袋店児童書売り場にて「大海赫サイン会」が、また2005年6月27日より7月9日まで個展「大海赫 展」がギャラリー「ゑいじう」で開催された。

2005年8月21日には第6回 絵本ギャラリー in 奈良で講演会「おとなも子どもも楽しめる童話を! 『夢は与えられるか?』」と著者本人による紙芝居の上演が行われた。

2005年9月20日より、「白いレクイエム」刊行記念イベントとして仙台のギャラリーMikkeで個展が開催され、会期中には著者本人を交えた『白いレクイエム』の朗読会&トークライブやサイン会も行われた。

[関連リンク]

*1:単行本の刊行が中断していた時期も創作活動は継続され、雑誌「児童文芸」を中心に連載を含め多くの短編・評論が発表されている

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