「もう日本は先進国ではない」というTweetを何度か見た。ジャーナリストの齋藤貴男さんらも、去年からずっとそう言っている。 「先進国」はそうでない国(「後進国」とか「後発国」と呼べばよいのだろうか、よくわからないが…)とセットで考えられるから、何が「先進」かは、そうでない国との比較上でしか出てこない。尺度はだいたい後付けだし、そこには一定の価値観が反映されてもいる。知らぬ間にその「価値観」が「倫理観」や「道徳観」に置き換わって善悪の基準などに転化すると、これは「差別観」とどこがちがうのかと思えてくる。だから、できればあまり使いたくない言葉のひとつである。 しかし、かくいう小生も、戦後の高度経済…