21/5/4の「本館」記事を修正の上、転載。 日本製鋼所は、室蘭市茶津町が創業の地である。火入れは、明治四十(1907)年五月五日であった。『新室蘭市史』によると、この日が選ばれたのは、菖蒲の日が、語呂的に尚武に通じるからだという。 日本初の民間兵器工場だけに始まりが武張っている。 陸海軍、ことに海軍の強力な支援を受けて設立された。中でも設立に力を注いだのは呉鎮守府司令官の中将、山内万寿治である。会社が立ち上がるに際し、司令官のまま社の顧問に就任した。 大型砲その他の最新兵器も製造可能な高炉そして精密機械を備え、実際、長門や陸奥、大和といった帝国海軍が誇る戦艦の一部の生産もこの工場が担った。 …