ここに未来ある若者がいるとする。 都会を知らぬ、純朴な。 その者は才気に溢れ、人柄も良く、情に厚い男だ。 彼はこれから社会に出る身である。そして都会へ出ていく。世知辛い社会の喧騒の中で、果たして彼は自分を殺さずに成長し続けられるのか。 試されることは数多い。 結果として、ターンすることになる可能性もあるだろう。 そうなった場合、彼を含めて、周囲の皆は後悔しないだろうか。 今、現実的に考え、迫り来る未来に対する喜びと恐れ。 それは確実に、着々と音をたてずに忍び寄って来ている。真綿で首を絞められているのか、それとも暖かい真綿にくるまって眠りに落ちているのか、その境目すら認識出来ていない。 そんな風…