罪を犯した者同士 太宰治と太田静子とのあいだに出来た子供、太田治子さんの作品です。 二人の出会いから、どんな間柄だったかを子供の立場から書いています。 太宰は心中事件で相手の女性を死なせています。 静子は最初の結婚で出来た赤ちゃんを肺炎で死なせ、自分のせいだと思っています。 だから、太宰は自分と同じ罪を抱えている、自分たちは心が通じ合うと思い込みます。 太宰の方は、夢見る夢子さんで無邪気で世間知らずの静子に心の安らぎを感じます。 日記が欲しい 太宰はそれまでも人の日記を下敷きに作品を書いています。 お嬢様育ちの静子は、お姫様のように上品な母親との暮らしぶりを、 太宰に勧められて日記に書くように…