小説家、推理作家。 1978年3月8日生まれ。北海道札幌市出身。2012年まで旭川市在住。 小説投稿サイト「E★エブリスタ」にてEleanor.S名義で作品を発表し、『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』でE★エブリスタ電子書籍大賞ミステリー部門優秀賞を受賞。同作品は2013年より角川文庫(角川書店)で書籍として刊行されている。
犯行理由は親子の怨恨。せつない話で、感動しました。 母のことは恨んでいたが、小菊は心の奥で母を好いていたと分かる場面。 「亡くなった母の髪を朝日が昇るまで、撫でていた。幼いころ、こうやっていつも指で梳いて寝かしつけていてくれた」 今回、はじめて太田紫織さんの作品を読んでみました。女性作家ということで、登場人物が男も女も女性らしく描かれています。ティータイムでお菓子を食べる磯崎と薔子の会話は、女性同士の会話のようでした。宝塚歌劇団の演劇を見ているような、普段読まない雰囲気の新鮮味があって面白かったです。 途中、気になったシーンで作者の性格が分かるような場面がありました。 花泥棒をした白河さんが薔…
第9話 郵便物に示された暗号 再び、ラ・ヴォワザンのサロンを訪ねる。小菊に事件当日の悲鳴の件を話すと、当日は出かけていて帰ってきたら、夫人は亡くなっていたという。 夫人からの郵便物を調べてみる。ガラス瓶の蓋を温めると、文字が浮かび上がってきた。九条櫻子に相談すると、一種の暗号ではないかという。 メッセージカードにはMANDRAKEとMEZIREON、浮かび上がってきた文字にはHEZZDZ HE ESTNRと書かれていた。 MANDRAKEの文字をMEZIREONに置き換えると M→M A→E N→Z D→I R→R A→E K→O E→N HEZZDZ HE ESTNRに置き換えた文字を当ては…
第6話 ラ・ヴォワザン夫人の突然の死 私とヴォワザン夫人はなんとなくの近所付き合いを続けるようになっていた。 白川さんが竜胆庵に訪ねてくる。ラ・ヴォワザンが自殺したという。美濃辺さんに事情を聞いてみると、サロンの経営が上手くいってなかったのではないかという。または、SNS上のトラブルの悩みだったのではないか。 ポストのチラシの中に、ヴォワザン夫人からの不在伝票が入っていた。 第7話 ヴォワザン夫人からの郵便物 配達された荷物には「MANDRAKEとMEZIREONをかえて、あなたに贈ります」と書かれたメッセージと共に媚薬が入っていた。MEZIREONはペルシャ語で「死」を意味していた。 小菊さ…
第1話 私と九条櫻子の関係、庭のリフォーム 私(千代田薔子-しょうこ)は九条櫻子の親戚である。叔祖父、画家の藤堂龍生の元アトリエをリフォームする。 母は祖父を憎んでいて、若くして逝った。 私は庭を「竜胆庵」と名付け、知り合いの高校教師の磯崎に庭の手入れをお願いする。磯崎は花を知悉し、耽溺している。私は磯崎に好印象を持っており、親戚の九条櫻子の唯一無二が大好きだった。 あるとき、近くに住む白河老人が家を訪ねてきた。 いろいろな女が、この家をウロウロしているのを見かけ、迷惑してしているという。 第2話 防犯カメラ設置、謎の来客者 入口に防犯カメラを設置する。カメラに数日おきに知らない様々な女が、映…
少女Aがマムシで祖父を殺害したという真相を、新聞記者の主人公が追う話。 この作品の核はここではないか アクリシオスはギリシャ神話に出てくる登場人物で、祖父(アクリシオス)が孫を殺す話。まだらの紐は、双子の姉を殺された女性が真犯人(義父)を見つける話。この2つの話が、ここが作品の核で、祖父か少女Aのどちらの犯行かが焦点。 (なかやまきんにくん的に言うと、犯人は祖父?少女A?どっちなんだい!といった感じ) 終始、女性的な雰囲気に見える主人公。作者の女性らしいやさしさを感じる雰囲気の作品だと思いました。途中、 主人公の食レポがありますが良かったです。太田紫織個人の食レポだと思いました。心和む文章なの…
第8話 事件の推理 吉沢みさ恵に私の推理を話す。 ・事件当日、祖父は逃げた大蛇を捜索していた。そして、祖父は裏の納屋に蛇の罠をしかけた。その最中、マムシに噛まれた。 ・少女Aが祖父の部屋に来た時、すでに祖父は死んでいた。家族・親戚から不遇を受けていた少女Aは、家に帰るより刑務所の方がよいと考え犯行を認めた。 ・再婚した義父の萩せいやは元中学校教諭で、出会い系サイトで少女と関係を持つ余罪を持っていた。 この推理の出発点は、少女Aが読んでいた「まだらの紐」 「双子の姉を殺された女性が、真犯人を探す物語。ミルクで調教した毒蛇を使って密室殺人を行った犯人ー」真犯人は義父。 第9章 事件後の近況 事件後…
第5話 豊嶋家と少女Aの関係 約束の午前9時、豊嶋家へ行く。 吉沢身みさ恵は塾講師と再婚しており、少女Aは祖父の所へ通っていた。少女Aと祖父は読書という共通の趣味を持っていた。 実の父親は子供(少女A)に愛情がなく、祖父母は無関心。吉沢みさ恵の両親は元夫を嫌っていて、孫(少女A)も好いていなかった。 第6話 大蛇捜索 豊嶋家には餌用の冷凍大型マウスが保存されていた。マムシの餌になるようなものではなかった。 私と對中は午後3時から、蛇販売店店長と有志と共に、大蛇を捜索する。 車庫と納屋を調べる。罠がしかられており、カーペットパイソンが罠にかかっていた。 私がマムシに左手の薬指を噛まれる。對中氏の…
書店でひときわ中央に置いてあった、太田紫織という作家の本です。 大変人気のある作家で以前から興味があり、綺麗な挿絵に惹かれ、読んでみました。 印象としては、女性らしいやさしさを感じました。主人公(男)が女性っぽい(喋り方やリアクション)。三島作品は美しく激しい文章ならば、太田作品は女性らしいやさしさの文章、と感じました。読んでいて心地よい、人気の理由が分かる気がしました。 少女A(14歳)がマムシで祖父を殺害し、自首したが殺害理由は黙秘しているという事件。主人公は新聞記者で、事件の真相究明に乗り出す。といった話。 作家 太田紫織・・・、気になる、どんな作品なんだろう。それでは、読んでいってみま…
太田紫織『涙雨の季節に蒐集家は、』を読みました。 『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』のアニメを見たり、小説を読んだことがあります。語りは結構好きなほうです。 簡単に言えば、葬儀屋さん、遺品整理業者の話でした。主人公が涙もろいところが特徴です。(T_T)そして、その涙を集めるやヤツが…。いろんなキャラクターがいますが、それぞれがいい味を出しているのも良かったです。 続編も出ていますので、また機会があったら読みたいと思います。舞台は旭川なので、ちょいちょい北海道ネタが出てきます。ガラナ、セコマって…。知らない人はわからないけど、もはや全国区のワードなのかな?(笑)
オークブリッジ邸の笑わない貴婦人:太田紫織著のレビューです。 オークブリッジ邸の笑わない貴婦人: 新人メイドと秘密の写真 (新潮文庫nex) 作者:太田 紫織 発売日: 2015/08/28 メディア: 文庫 読書ポイント☟ 感想:「完璧なヴィクトリアンメイド」募集あり! なぜ老婦人はこの生活を望んだのか? 読書ポイント☟ 舞台は北海道の旭川。19世紀の英国のお屋敷を再現した屋敷に、メイドとして雇われることになった鈴佳。依頼した老婦人も風変り。建物だけでなく生活スタイルも当時と同じようにするという。老婦人はどうしてこのような生活をしているのか? 感想:「完璧なヴィクトリアンメイド」募集あり! …