「おい、脅(おど)かしっこなしだ。なに事だね、一体それは……」「つまり君の人相だ。実に千万億人に一人有るか無しの奇相である。それによると、君はわれわれが今見ている現実世界の住人ではない」「えっ、なんだって、少しもわけがわからない」「わからないことはない。君は、超宇宙(ちょううちゅう)人種だ」「超宇宙人種? いよいよわからなくなった。超宇宙人種かもしれないが、現にこうしてりっぱな日本人として、君の目の前にいる」 と、威張ってみたものの、そのときわたくしは、はっと胸をつかれたように思ったのである。それは例のことを思い出したからであった。戸山ッ原の夜の散歩人に、わたくしの姿が見えなかったらしいあの夜…