三日目にして曇り。拍子抜けするほど寒さはない。聖水駅へ向かう。 清澄白河か蔵前かという、工場地域におしゃれなカフェや古着屋やらが入ってきた地域という。が、工場地域としての機能はぜんぜん現役で残っていて、何かを削るような荒々しい音はそこらじゅうで鳴っているのに、平然と現代的なカフェが何食わぬ顔であったりする。通りも、いかにもおしゃれに敏感そうな若者と、油で汚れたつなぎ姿のおっさんとが同居している。ちぐはぐだ。 このちぐはぐさは、すでに日本、とくに東京から失われつつあるものではないかとも思った。もちろん、東京にも目を凝らせば、戦中戦後と現在を強引に繋いだようなアンバランスな空間はある。けれども、や…