『女・おとな旅ノート』 堀川波著 幻冬舎 ずっと出かけられずにいたが、感染者も減ってきたみたいなので、浮かれて信州上田の戸倉上山田温泉へと繰り出した。 「清風園」、とてもいい旅館だった。ご飯がおいしい。特に米は最高だ。銘柄は忘れたが希少な地元でしか買えない米らしい。それを温泉水で炊く。空気がきれい。宿は千曲川のほとりに建っているのだ。温泉も透明で、もっちりとした湿潤感だ。かすかに硫黄の匂いがする。更衣室で好きなだけ温泉水が飲める。もちろん入浴前後に飲んだ。 そして、ライブラリがある。冊数は図書館ほどではないが、ちゃんと選ばれたおもしろそうな本や写真集と心地よいソファががワタクシを待っていた。持…