本作『如懿伝』が比類なき作品なのは歴史上悪女となっている嫻妃を「実は最も誠実な女性だった」という設定として世界を作り変えたところです。 そういう小細工をすると往々にして辻褄の合わない奇妙な物語になりそうですが本作は「確かに」と思わせるものでした。 (いやまだ再鑑賞途中ですが) ネタバレしますのでご注意を。 嫻妃がどうして悪女なのか。それは彼女が歴史上ほとんどあり得ない「廃后」になっているからですね。 皇帝の妻である尊き皇后を廃することは最も忌むべきことであり不吉なこととされる、と作品中でも語られます。 万民の鑑である皇帝が生存している皇后と離婚するのは天の采配に逆らう、ということなのでしょうか…