画像出典:DAIM 娘が結婚して家を出てからは、妻との会話はめっきりと少なくなった。妻は元々女性としては無口な方ではある。それも話すひとによるかだけかもしれないが。というのも、わたしの趣味に彼女は無関心だし、彼女のそれにもわたしは惹かれるものはない。会話の糸口がないのだ。 妻が無口である事は厭ではない。一緒にいる間、のべつ幕なしに話されても、恐らく半分と頭に入らない。聞き流すだけもすごくわたしは疲れるから。 それはこんな風になるだろう。 どこそこのだれだれが、どうしたとかこうしたとかを述べたのちに、 『どう思う?』 などと尋ねられたら、殆ど返答に窮する。 『え、何が』 と聞き返すしかないだろう…