前回までの記事の続きです。 「日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?」(山田昌弘著、光文社新書)は日本の少子化対策の失敗原因の本質を解説している素晴らしい本です。しかし、残念ながら「では、どうすればいいのか」についてはほとんど書かれていません。 興味深いのは「そもそも少子化対策をすべきなのか」という考察があることです。「子どもを持つ、持たないは個人の問題なので、国家が干渉すべきでない」「少子化も人口減少も問題ではない」という主張は、日本にも確実に存在します。1990年頃まで、日本は少子化あるいは未婚化について、公的な対策をほとんど打っておらず、税金もあまり使っていませでした。それから30年間、お…